空の色はなぜ青いの?海の色はなぜ青いの?そんな疑問を持ったことはありませんか?
これには、空気と水と光の関係性が見えているらしい。
青色の違いもこのバランスの違いが影響している。
以下、大阪大学理学研究科理学部より—
大気中には通常小さな微粒子が浮遊している。その微粒子によって光が散乱されるが、そのとき波長の短い光が より強く散乱されて向きが変えられる。 したがって太陽からの光のうち、波長の短い青い光が散乱されてそれが私たちの目に入ってくる。 これが空が青い理由。
一方、赤い光は波長が長いので散乱されにくく遠くまで届く。 夕日が赤いのは大気中を長い距離にわたって太陽光が進んできたときに青い光は散乱されて徐々に弱くなり、赤い 光は散乱されにくく私たちの目に届くから。
しかし、海(水)の色が青いのは、別の理由だ。
実は最近、水の分子が赤い光を吸収することがわかってきた。 コップに入れた水では分からないが、数メートルの距離を進むと赤い光が吸収されて弱くなり、次第に水色になっ てくる。
そのため、きれいな浅い海やプールでは底に届いた光は水色になっている。 その光がもう一度吸収されて私たちの目に届くため、より水色に見える。 青や緑の光も少し吸収するので深い海底にはどんな光も届かないが、数メートルから数十メートルの範囲では太 陽からの白色の光は徐々に水色の光になってゆく。 つまり水の中を進む光は次第に青くなっていくが、夕焼けのように赤くなることはない。
以上の話は、正確に言うと普通の水(H2O)の場合。同じ水でも重水(D2O)の場合は赤い光を吸収しないので色は付かない。

実際の海や池では、他にも考えなくてはならないことがある。
ひとつは、プランクトンや汚れだ。もしプランクトンが緑色をしていると赤だけでなく青の光も吸収されて弱くなり、残った緑の光が私たちの目に届くので海は緑色に見える。しかし、赤いプランクトンがたくさん繁殖すると赤くなることも起こる。汚れた海に赤潮が発生した状態はそのような場合だ。
もうひとつは、海に差し込む光は、太陽からの光だけでなく青空のひかりも届くので、その散乱光は青になる。 したがって、一般的には「水が赤い光を吸収して青くなる効果」と、「浮遊しているプランクトンなどが光を吸収する効果」と、「青空の光が水に入ってくる効果」を同時に考えなくてはならない。
そういう場合は、正確に色の考察をするのは難しいところがある。
例えば、曇った日の海の色は灰色に近いかも知れない。しかし太陽光がさんさんと降り注ぐ珊瑚礁の海岸の澄んだ海の青さは、最初に説明したように水が赤い光を吸収する効果が最も大きくきいていると言うことかと思う。

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そして、最後は、その時その場所、そのシュチュエーションでの気持ちが、見える色にも影響を与える。この色彩、景色を誰とどこで見るのかで色は違って見えるのかも知れない。
